【キャリアデザイン部】星稜高校×日本体育大学 サッカー一筋だった僕たちが選んだキャリア
はじめに
こんにちは。キャリアデザイン部です!
今回は、星稜高校から日本体育大学サッカー部へ、そして今それぞれ違ったキャリアを歩む株式会社Pevi代表大倉尚勲さん、ビジネスマンとして活躍しながら品川CC#15を背負う寺田弓人選手と#11大橋滉平選手へのインタビュー。星稜高校~日本体育大学の7年間をサッカー一筋で過ごしてきた彼らが、いま品川CC×ビジネスという形で再集結。大倉さんが自社で展開している健康食品ブランドPevi Foodを品川CCでは選手の補食として取り入れました。寺田選手が大倉さん、大橋選手の2つ上の先輩にあたる。当時を振り返り今に至るまでの三人の関係性、プロを目指さなかったうえでの三者三様のキャリア選択と決断、サッカーを通じて実現した今回の再集結、そしてこれからについて語ってくれました!ぜひ、ご一読ください。
星稜高校時代の印象
ーみなさんが出会って約9年ほど経つと思うんですが、高校当時を振り返ってお互いの印象って覚えてますか?
寺田:信頼できそうな2人だなって何となく思ってました。話しかける必要もなかったから話しかけなかったけど(笑)大橋は、1年から試合に絡んでて、大倉は同じ石川出身ということもあってもともと近い存在には感じてましたね。人への関わり方やサッカー以外の雑務などもきちんとやっている2人だったと思います。
ーサッカーだけでなくそれ以外のことにも真摯に向き合う2人だったんですね。後輩だった2人から見て寺田選手はどうでしたか?
大倉:憧れの存在で、入部しても神様的な存在でしたよ。初めて言いますけど(笑)背が高いっていうのもあって畏れ多い存在でした。
大橋:一言ですごい人ですね。2年生で選手権に出ていたし、勉強もちゃんと頑張ってやっていて文武両道を体現している人でした。
ーサッカーでも結果を出しながら勉強もってなかなかできないですもんね。同級生同士の印象はどうでしたか?
大倉:見た目は、大人しそうでサッカーうまそうじゃないなってのが正直な印象でしたね(笑)でも、ガンバ大阪からとんでもない選手が来てるという噂があったんで。実際一緒にプレーをしてみたら、なかなか北信越周辺にはいないレベルの選手で、これから一緒にサッカーができる嬉しさと成長できる可能性を感じたっていうのが大橋への印象でした。
大橋:先輩だと思っていたんですよ(笑)中3の秋に練習会でたまたま一緒になって、その時期星稜の練習会に参加する練習生ってそんないないんです。だから、僕はみんな先輩やと思って90分プレーしてたので、無駄に敬語使ってましたね。あと、体も大きいしプレーもすごかったんでそれも含めて、初めの印象は高校2年生ですね!笑
(左:大倉/右:大橋)
大学卒業後、プロを目指さない決断について
ーみなさん大学卒業後、プロではなくビジネスマンとしての道を選択していますが、その選択と決断をしたときのことを教えてください。
寺田:プロになることは僕自身がかっこいい自分でいるための選択ではなかった
サッカーをやっていて自分自身がかっこいい自分でいれるかと問われるとそうではないと思った。サッカーをしてたのも、星稜に行ったのも、大学で東京に来たのも、今の仕事をしているのも自分自身が自分をかっこいいと思えるにはどの選択がベストなのかという軸で決めてきました。大学3年生の終わり~4年生途中まで試合にも出させてもらっていたんですが、サッカーではない何かで次は頑張りたいとどこかで思ってました。お金をもらえなくてもサッカーが好きだからサッカーを続けられる環境を選択する人生もあると思います。でも、僕はもうそこまでサッカーが好き、楽しいと思えていない自分だったと。そういう考え方になっている自分が弱いなと思ったと同時に、そんな自分を受け入れて、サッカーではなれなかったかっこいい自分に次の場所ではなろうと決意しました。それが、社会人というステージでした。今は好きで始めたサッカーを昔の気持ちのままで向き合えずにこの決断をしたことを正解にできるよう頑張っています。サッカーを本気でやってきた14年間は人生のアップ、ここからが本番だと思ってますね。
大倉:生涯を通じて自分が好きな自分でいつづけるための選択
大学までサッカーしかやってこなくて、実力でプロにはなれないと自分で判断した時がありました。その時にプロになれないなら、社会に出てビジネスの場で活躍したいと思いました。僕は大学卒業後、フルコミットの映像制作会社に就職して個人で稼ぐ経験をしました。サッカーとは真逆の世界ですよね。サッカーはチームでいかにいい成績を出すかの世界なので。1年ちょっと勤める中で気づいたことがあって。個人でできる限界や個人で感じられる楽しさ、許容できる責任範囲の狭さが僕にとっては違和感だなと。振り返ると、ずっと僕がチームスポーツをやってきた理由ってそこなんじゃないかと思ったんです。チームのビジョンに対して、いろんな人を巻き込みながら一緒に日々邁進することに面白さがあったからきつくてもずっとサッカーをやってきた、そう思って自分のチームを作るイメージで起業の道を選びました。会社を経営する中で、それぞれの役割をそれぞれの得意・不得意を認め活かし合うことを大事にしてます。営業が経験があり企画が得意な僕がいれば、バックオフィスが得意なメンバーもいる。誰が欠けてもいけないし、最大限に補いあう関係性を築かなければ仕事が回らない。それが、個人ではなくチームでやる理由。いろんな人を巻き込んでいるので責任を感じる一方で、僕はこっちの方が絶対的に楽しいとサッカー人生となぞらえてそう確信しています。
ー今も行っている事業もサッカーにヒントがあったんですか?
大倉:サッカー人生を振り返ったときに思いつきましたね。私たちは、日本の「食環境」に革新を起こします、というビジョンを掲げていて、過去のサッカーでの経験の違和感から思いついたサービスであり、その時の痛みや経験を生かして、僕と同じ経験にならないよう何か役に立ちたいと思っています。今ある問題は、子どもたちの責任ではなく、その環境を整備しない大人の責任じゃないかと思って、実際の痛みを知っていて、背景も知っている自分たちだからこそできる事業ではないかと思っています。
フードロスに関しては、飲食店・スーパーへの営業をしていた時に、素材どりなどで平気で物を廃棄(料理を作るうえで)してしまっている実態を見て、色々調べた結果日本は世界と比較しても持ったないことをしていることを知り、自然とそこに対し責任感がわいてきた。何かアプローチできることはないかと思い興した事業ですね。
ー大倉さんの芯がブレない、責任感が強いそんな人柄がそのまま事業になっている感じですね!大橋選手はどうですか?
大橋:怪我でできた時間が導いてくれた人生の選択
もともと大学4年生になった時には、プロの道しか考えていなかったんですよ。むしろ、それ以外の選択肢はないと思っていましたね。大学4年生の5月に数か月の怪我をして、プロの道だけを考えていてはいけないんじゃないかって、ふと思った瞬間があって。気づいたら、弓人くんに就職活動したほうがいいかどうか相談していました。でも、相談内容って、就活どう進めたらいいのかという話ではなく就活したほうがいいのかしなくてもいいのかのレベルの相談でしたね。弓人くんのしたほうがいいよという助言をそのまま聞いてとりあえず就活したのを覚えてます。怪我をして冷静にかつ客観的に自分とサッカーを見ることができたんですよ。ほんとにプロになって活躍できるか、大学4年間どうサッカーと向き合ってきたか、どのくらい努力をしてきたかなどを考えた時に自分よりも努力している人はいると思ったし、逆に能力があっても努力をしていない人もいるなと思った。そんな生半可な気持ちだったら絶対しんどいなと思いました。結果、就職という選択肢を現実的に考えられました。弓人くんや大倉みたいにどう活躍するかまでを考えていたかと言われるとそうではないと思います。でも、出たとこ勝負のマインドは誰にも負けないと思っているので、そんな気持ちで日々仕事と向き合ってますね。
ー大橋選手から就活したほうがいいかと聞かれた時のことは覚えてますか?
寺田:覚えてますね。ほんとに迷っていなかったら相談してこないと思ったので、したほうがいいと伝えました。どこか自分と似ていると思ったんです。選択肢をできるだけ広げたうえで、最後は彼の中でのベストな決断ができればと思って伝えました。結局、大橋は自分で決める決断力はあると思ってましたし、サッカーやりながら就活ができないわけではないし、あえて初めから選択肢を消す必要はないと思ってのアドバイスでした。
ーできるだけ選択肢を持ってほしいという想いからだったんですね。
(左:大倉/右:大橋)
決断時の葛藤と決め手
ートップレベルのチーム・意識でやってきて、目指していたものを諦めると決断をした際の葛藤やそれでも今の道を選択した決め手があれば教えてください。
大橋:最後は自分。自分がどうしたいかただそれだけ。
諦めるまでの期間はめっちゃ長かったですよ。監督・コーチ・先輩・家族、沢山の人にいろんなことを聞きましたし。結果、半年くらい悩みましたね。就活終わっても、4年の1、2月までは正直迷ってました。沢山の人に話を聞く中で、大半は続けた方がいいと言ってくれてました。でも、そこに対して腑に落ちない自分がいて。Jリーグにいけないのは分かっていたのと、社会人は新卒という横一線のスタートだと捉えた時に、社会人は本気度で勝負できる世界でないかと思ったんです。これまで勉強で負けてきた人にも勝てるのは初めから社会人になる選択肢をした方ではないかと思いました。当時相談をし続けた方がいいと応援して下さった9.5割の方々には感謝していますが、最後は自分の感覚を信じて決断しました。
ー大倉さんはどうですか?
大倉:理想と現実のギャップと自分自身と向き合った結果、未来に目を向けられた
高校で全国大会に出て、自分てすごいんだと勘違いしてましたね。大学でも、少し頑張ればトップチームに行けると思ってました。でも、現実はCチーム。現実を突きつけられた感じでした。何となくプロの世界を見ていた自分と大学のチームでトップに行けない自分に大きなギャップを感じて、スイッチが切れた瞬間がありました。2年生の時点でプロは目指さないことを決断していましたね。
ープロにはならないと決めてから、次に向けて動いていたことはありますか?
大倉:今までサッカーしかしてこなかったなと思い、自らのスキルをつける重要性を感じ部活動をしながら動画編集・映像制作の勉強をして、自ら営業をしに行ったりしていました。自分でブログ書いたり、スポーツビジネスを考えたりはしていましたが、やっぱりマネタイズまでには至りませんでしたね。
ー部活動を続けながらビジネスマンさながらのことをしていたんですね!当時を振り返ってみて今活かせているなと思うことはありますか?
大倉:まずは自ら行動を起こすこと
プロを目指さないという選択をした時に、部活動の傍ら何かしら次に向けての行動を起こしていたことは、その後や今のいいことに繋がっていて僕の中の成功体験を作ってくれているなと思うし、それが自信になっています。
ー今と全力で向き合うことも大事ですが、少し先を考えて行動を起こすことも同じくらい大事ですね!寺田選手はどうですか?
寺田:サッカーで知った自分の弱さを受け入れ社会人で繰り返さないというマインド
楽しく始めたサッカーを、いろんな人の期待に応えないといけない、レベルの高い人に勝っていかないとというプレッシャーと感じ憂鬱だと思ってしまった。でも、これってまた仕事でも同じような場面が来るはずで。次の場所でプロになると決めている以上、仕事で同じことを繰り返さないようにこの経験や決断を活かしていきたいと心の底から思えて決断できましたね。プロを目指さなかったことに対し、後悔がないといえば多少はありますが、今はその後悔を自分のような少年がいたらプロになれるよう手伝ってあげることで無駄な後悔にはならないと思ってます。
今後の描いているキャリアとお互いへのメッセージ
ー今後はどんなキャリアを描いていますか?
寺田:地元金沢への恩返し
地元金沢が好きだからこそ、何か恩返しをしたいと思っています。ただ、今の状態で帰ることは違う気がしている。東京で力をつけて、本当に何か返せる状態になったときに帰ろうと思ってます。
《メッセージ》
大倉は、リスク背負ってでも行動することを大事にしている点で尊敬しています。自分自身も勉強させてもらっているし、純粋に頑張ってほしいですね!
大橋は、仕事もサッカーも全力で取り組む姿を見ています。何かできることがあればしてあげたいと思っているし、大橋が人生においていい判断ができるためにも、先を走っていなければと思ってます。いい意味で僕の頑張る原動力なのでこのままでいて欲しいですね!
大橋:最終目標は、星稜の指導者
高校の3年間で成長させてもらった。弓人くんと同じで今東京で経験を積んでいるという感じはあります。人生何かに熱量を持って生きたい思っているので、いつかプロや一流の社会人を輩出できる人に自分自身がなりたいと思っています。自分よりも優秀な、何に対しても全力の人間を育てられる人になりたいです。
《メッセージ》
大倉は、いつも一緒やからそんなないけど(笑)素直に成功してほしいし、成功すると思います。将来僕がアスリートを育てる立場になった時には、何か一緒にできればと思ってます!
弓人くんは、出会ったときから10倍速で走っているから、そのままでいて欲しいですね(笑)サッカーでも仕事でも吸収できることは吸収しようと思っているので、そのまま走り続けて下さい!
大倉:多くのことを還元できるようになりたい
日々いろんな方々にサポートしてもらっていることを感じています。みなさんに感謝の気持ちを伝える意味でいろいろ還元できるようになりたいと思っています。そのうえで、上場はしたい。その為に、事業が変わる可能性はありますが、芯となる人やビジョンは変わらないので一日でも早くスケールできるよう頑張ります。
《メッセージ》
弓人くんは、毎回的確なアドバイスをくれる人で信頼しています。ブレることはないと思いますが、これまでと同じくありのままで突っ走っていて欲しいです!
大橋は、同期の中でもお互い見えてない視点での意見交換ができる貴重な相手だと思っています。お互い頑張りましょう!
(左:寺田/中:大橋/右:大倉)
ーみなさん、ありがとうございます!人生におけるそれぞれのサッカーの位置づけや価値、サッカーを通じて形成された同志の絆を感じるインタビューでした。これからもビジネスマン、そしてサッカーでの活躍を期待しています。