【インタビュー】飯島ヘッドコーチ~2021シーズン後半にかける想い~

はじめに

こんにちは。広報です!

今回は一雄さん(ヘッドコーチ|飯島一雄)にインタビューを実施しました!

品川CC一、熱い男といっても過言ではなく、愛にあふれ、信念を持った一雄さん。

セカンドチームの監督として2年指揮し、今シーズンはヘッドコーチとしてチームを好調に導き、自身も成長し続ける一雄さんに品川CCの今シーズンの好調の理由から自身のキャリアまで幅広く答えていただきました。

一雄さんの人柄や品川CCの雰囲気が伝わる内容になっています。

指導者を目指す学生、サッカー界に関わる全ての方に読んでいただきたい内容になっています。

ぜひご一読ください。

品川CCとの出会い

―まず初めに指導者の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。

小4でサッカーを初めたんだけど、中2でプロにはなれないなと早々に思ってしまったんだ。その時から、サッカーを続けて行くなら、プレーヤーではなく指導者になりたいと思っていた。高3でプレーヤーとしてのサッカーは引退した。

引退後はすぐにでも指導がしたくて、出身の中学校のサッカー部の練習に通っていたら、タイミングよくサッカー部の監督の話をもらって、18歳で監督として指導を始めたんだ。その時は、漠然と保健体育の教師としてサッカー部の指導ができれば良いかななんて考えていたんだけど、サッカーを指導するためにはサッカーだけに時間を費やすことも必要なのかなと感じ始めた。そして、強みになるような経歴も一切なかったから、指導者としての違いを生み出すためにバルセロナでライセンスをとることを決意したんだよね。

 

―ライセンス取得後すぐ品川CCでセカンドチームの監督をしたんですか?

2015年にバルセロナから帰ってきてから、実はサッカーとは違う仕事をしながらサッカーを子供たちに指導していたんだ。

でも、サッカーに掛けられる時間や、指導者としての自分の姿勢に納得がいかなくて…。

バルセロナまで行って得た経験と知識をもっとフルに活用したいと思っていたのと、何よりも競争できる環境に飢えていて監督ができるチームを探していた。

当時、子供の特性を学びながら、チームづくりを学んで行きたいと思っていたから社会人チームのことは全く知らなかったんだけど、友人から品川CCが監督を探していると聞いて監督ができるならチャレンジしたいと思ってすぐにGMの吉田さんにコンタクトしたのがきっかけでセカンドチームの監督に就任したんだよね。

 

―そうだったんですね。一雄さんが思う品川CCの魅力を教えてください。

僕はサッカー指導者だから、指導者目線での品川の魅力になってしまうけど。僕が感じる魅力は二つあって、

一つ目は社会性や、人との接し方・在り方を常に求められる環境

二つ目は選手たちの質の高さ

が魅力だと思う。

 

僕が感じているサッカー指導者のコミュニティって、サッカーを通じた出会いがやっぱりメインになっていて、ちょっと閉鎖的というか、狭い世界に感じてしまう時があるんだ。もちろん、だからこそ良い面もたくさんあると思うんだけど、決まったグループの中で新しい情報を取りに行くことって結構難しいとも思っていて。

指導者ってサッカーに対する知識はもちろん重要だと思うし、現場での指導力も絶対に無ければいけない。

ただ、人として他者とどのように接するのか。それは自分が何を伝えたくて、相手が何を伝えようとしているのか、どのようにしたら伝わるのかを理解する。こんなところも指導者として大切な力だと思うし、社会性や組織の中で、周りの人達と関わるために必要なことも、身につけなければいけないことだと思う。

品川CCではこういった指導者としての姿勢も常に求められていると思うし、普段指導している他の現場では学べないことに目を向けることができる環境は指導者にとって、とても魅力的。

特に、GMの吉田さんが社会人として、人としてどうあるべきかを常に選手にもスタッフにも問いかけ続け、GMの吉田さん自身がそれを体現していることが指導者として成長する中で、このクラブの最大の魅力だと感じている。

 

もう一つは、選手たちの質の高さも、品川CCの魅力だね。

プレーヤーとしての質の高さは県リーグの中でも間違いなくトップクラスだし、彼らは、仕事とサッカーの両立を目指して日々頑張っている。

疲れている中、プライベートを削ってでもサッカーをしている選手を本当に尊敬している。

サッカーから離れようと考えていた選手も多いと思うけど、もう一度サッカーに熱を燃やすその情熱。元プロは特に。この環境でも、もう一度サッカーと向き合ってやれていることがすごいし、みんなから刺激をもらっている

そんな選手たちがこのクラブの魅力だね。

品川CCは、生活の部分への配慮や臨機応変な対応も受け入れてくれて、サッカーに打ち込める環境があるし、選手もスタッフも全力でサポートしてくれるクラブだと思うよ。

 

去年を振り返って

―昨シーズン、セカンドの監督とヘッドコーチの両立で感じたことを教えてください。

昨シーズンを振り返ると、とにかく目標達成、結果を残せなかったことへの後悔があるのが本音。

トップのコーチ、セカンド監督を兼任して、トップは関東で結果を残す、セカンドは昇格させるというどちらの目標も達成できなかった。ヘッドコーチと監督を両立すること自体初めてで、どちらも振り切るのが正直難しく、大変なことが多かった。

 

―一雄さんはすごく厳しさの中にも愛情があると感じていました。どんな想いで戦っていたか、そして難しかった部分があれば教えてください。

もちろん、いろんな想いをもってセカンドの選手に接していたよ。

昨シーズンは、セカンドは“戦える集団”として課題が多かった。技術・戦術の面でも、精神的な面でもね。

結果を残すことを求め続けていたけれど、選手達にはサッカーを楽しむ気持ちも忘れてほしくはなかった

競争から生まれる楽しみや刺激を、与えられる環境を作れていればまた違ったのかもしれないね。

自分なりに、勝たせるチームにする方法を考えて動いたけど結果は作れなかった。

ただ、色々な考え方を持っている選手達と、モチベーションにも温度差がある中で、選手をどう巻き込んでチームを作っていくのかがチームづくりをする難しさと、面白さでもあるし、既存の選手でどう戦うかを考えることに本当に魅力を感じていたし学ぶことが多かった。

―今シーズンも監督を継続しようと思わなかったのですか?

昨シーズン終わった時点で、結果が出せなかったので自分がセカンドの監督をおりることを決めていた。

監督は今でもやりたいと思っているし未練もある。監督をやりたいという情熱をもっているけど、結果が出せなかった原因は必ずあるから、学ぶ必要性も感じていて、今シーズンはコーチという視点から松さん(松ヶ枝泰介監督)やりゅうご(加藤瑠伍監督)をサポートしようと決めた。

松ヶ枝監督、加藤監督(セカンドチーム)との関係性

―松ヶ枝監督との関係性は?

昨シーズンよりも更に良い関係をつくれていると思うし、お互いの考え方をぶつけあえる関係性が構築できているかな。

松さんの肌感覚や経験値をすごくリスペクトしている。選手としてのプロ経験もあって、1つ1つのプレーに対する分析が細かいんだよね。ただ、松さんと俺のサッカー感は共通する部分はあっても違いがあると感じている。りゅうごを含めても考え方は三者三様だからね。ミーティングでもいろんな意見が出るけど、そんな環境の中で松さんが僕らコーチングスタッフを信頼してくれていることを感じているし、僕らも松さんのおかげで、本音で会話ができる。僕らは、チームに対するベストな考え方を伝えて、最後は松さんにチームの事を決めてもらう。良いお互いの距離感ができていると思うし、終わった時にはベストパートナーと呼んでもらいたい。

 

―松さんを一番近くでみている一雄さんが感じる松さんの強さを教えてください。

芯が強くブレない図太さ、押し通せる芯の強さもあるけど、柔軟性もある点かな。
やったことないことをやろうとおもって英断してやりきる力があるし、ある意味バクチ的な大胆さがすごいと思う。松さんの奇策で勝っている試合もあるし、それがあったから勝ちつづけていると思う。

―監督と選手の間のポジション、その難しさ、ヘッドコーチのやりがいを教えてください。
正直歯痒い時もあるよ。監督の考え方と違うことを僕自身を考えているときもあるし、それをどう落とし込むか悩むときもある。どうやって、松さんに伝えると一番伝えわりやすいかなって。

選手からも『これこう思うんだけど。一雄さんはどう思う?』っていう問いに選手と同じ思いの時もある…けど、チームとしてはこういう考え方をしていると伝えているし、色々な要素を客観的にとらえて動くようにしている。

自分に求められているのは松さんの想いを尊重して、汲んで自分事として伝えていくこと。

だからこそその背景や思いを汲み取って、理解して、それを練習時に言語で形にしていく。それで勝てれば本当に嬉しいし、松さんから信頼されているのもやりがいに繋がっている。

あとは一貫性を大事にしているね。

だめなときにすぐ変えるべきこと、継続すべきことがあるけど、継続してわかること、得られることがあると思っているし、今期は後者をより優先しているよ。

 

―弟子のような存在であるりゅうごさんとの関係性は?

りゅうごからは日々刺激をもらっているよ。

元々は指導しているスクールが一緒で、最初の印象なんかは本人にも言っているけど最悪だったよ。笑笑

でも少しずつ挨拶もしないスタンスのりゅうごの中に変化が起きて、熱をもってくるようになった。

彼を品川CCに誘ったのも「品川CCどうですか?」と何度も聞いてくるから、その熱に魅力を感じてチームに紹介し、昨シーズンはセカンドのコーチとして共に戦ったね。

品川CCを通してりゅうごという人を知れたし、いま想いをもってセカンドチームの監督をやってくれている。

もっと成長できるタイミング、機会が来ると思っているからぜひ頑張ってほしいと思っている。結果を追い求められる監督の一人だし、そこに対して全力で向き合っている彼がいるから、僕も刺激をもらえるし、リスペクトしている。

僕は、品川CCで本当にたくさんの事を、サッカーでも、人間性の部分でも学べて、自分が成長&発信できる環境を与えてもらった。自分がGMの吉田さんにチャンスをもらえて気づいたことがたくさんあって、サッカーを指導して自分自身を磨いていきたいと思う若手指導者はそういった環境が成長に繋がる鍵だと思っている。

企業の競争と一緒でサッカー界、指導者界もより守りではなく、競争が起きていいと思う。若手指導者が成長して、『こんな凄い指導者がいるぞ』となれば、指導者が自分自身でアップデートを強いられる。

そうするとチャレンジする場も増えて、指導者の輪も大きくなるし、指導者の質が上がっていく良いサイクルができると思う。

いまの品川CCの強さ

―全社出場やリーグ戦無敗と好調の品川CC。一雄さんから見て今年のここまでの調子はどうですか?
大きく3つの要因がいまの雰囲気の良さを作っていると思う。

一つ目に、選手間、監督・コーチとの密な関係性

ここまででつらい思いをしている選手もいるし、逆に恵まれた環境でサッカーしてきた選手もいる。互いに思っていることを伝えあえる関係性ができていると思ってる。

特にキャプテンの将太朗(#26❘工藤将太朗)はチームを客観的に視ることができるし、プレーの質でも全体を引っ張っている。元プロの友也(#6❘福田友也)はアマチュアへの順応と、周りへポジティブな影響を与えるように変化してきたし、チーム全体でまずはやってみよう。というスタンスに変わってきている。

 

二つ目に練習への拘り

チームが連勝を続ける中でチームとして、個としても求められるものが明確になってきたからこそ、20分でも練習参加に拘る選手が増えたんだよね。

昨シーズン足りなかったものとして、ありきたりな練習が多かったことは感じていた。

トレーニングの内容はどうオーガナイズするかはすごく気を使っていて、特に切り替えの速さやフィジカルの部分はより強化していきたいと思っているから拘ってメニューをつくっているよ。

平日練習はフットサルコートで、できること、できないことが明確だから、限られた時間と場所の中でうまく練習をつめているし、フィジカル部分でトレーナーも練習にはいってくれたのはよかった。

 

三つ目に関東昇格へ向け全員が同じベクトルを向き始めたこと

チーム内でも少しずつマインドが変わりつつある。小さな変化だけど品川CCに必要だった変化が起きたことがチームをより強くしていると思う。例えば選手同士のリスペクト、スタッフへのリスペクトは徐々に行動に表れてきた部分でもあるし、監督とGMの吉田さんが先頭に立ってやってくれて、統制が取れてきたと思う。

 

描く理想のチーム像とは

目標を遂行するために、自分の価値観とか自我、欲求がある中で、どうチームに求められているものを自分の価値として還元できるかを考えて行動できるチーム

例えば、マネージャーやスタッフがボトルを用意してくれたり、勝つために遅くまで試合について考えているコーチ陣の“行動”や“想い”に感謝だけでなく、行動できるチームを作っていきたい。

もちろん、スタッフも例外ではなくスタッフの思いと、選手の意思を尊重しながら共存することが求められる。

過去の挫折/これからの飯島 一雄(今後の目指すキャリア)

自分にできることが何もないと劣等感を感じていた時期やサッカー選手はあきらめて挫折した過去があるけど、それでもどうにかサッカーを続けようと思ったし、いまは自分の人生でサッカーは必要不可欠だと感じている。

―なぜまたサッカーをやろうと思えたんですか?

人が好き。選手が好き。同じ目標をもった選手たちとなにかを共に作り上げて、結果に拘ったり、その姿をファン・サポーターの皆さんと共に楽しめることが最高に嬉しいんだよね。

1つ心に残るエピソードがあって、品川CCに来て初年度のリーグ戦は有観客でできたけど、全く知らない人が当時の品川CCセカンドの記事(県選手権での品川ダービーとリーグ首位だった横須賀シティ戦)を書いてくれているのを見つけて、物凄く好印象を持ってくれていたことがあった。自分たちの事を知らない人が、とりあえずサッカー観に行くかで行った試合が最高に面白かったら、こんなに幸せなことはないと思う。僕は最終的にそういうチームを率いたい。

 

―今後の目指すキャリアについて教えてください。

監督がやりたい!日本のトップレベルで仕事したい!

将来は育成年代の監督をしたいけど、いまはカテゴリー問わず、レギュレーションがあるチームの監督ならどこでもいいと思っている。シンプルだけど、競争の中で1番になりたい。

ただ、いまジェフ千葉の中で働いているんだけど、品川CCだからこそ経験できることがあると感じる。

―例えば、どんなことですか?

目的に対する準備の仕方、プレゼン等への準備とか。

品川CCは仕事もサッカーも全力を掲げていて社会性を求められるチームだから、サッカーが第一優先ではない選手に対する準備の観点で勉強になることが多くある。

 

それに社会人になってから上手くなっている啓佑(#20|伊藤啓佑)やいきいきしてる東岡(#28|東岡信幸)や宮原(#44|宮原太一)から刺激をもらうし、品川CCでサッカー界以外の人と出会うことができて、ひとりの人として大事な部分を多く学べるし、自分のためになっていると感じる。もちろん、GMの吉田さんのもとだから求められることもあるよ。

 

まずは品川CCで結果をだすことに拘りたいし、それが今後の自分のキャリアステップにつながると思ってる。

「飯島一雄とはどんな指導者ですか?」、と問われたときに、サッカーの指導者としての色を話してもらえるような指導者になりたい。

将来は社会人サッカーでの経験や学んだことを、育成世代へ還元することで日本サッカー界に良いサイクルをつくれると思うし、恩返ししていきたい。

ファン・サポーターに向けて

品川CCのファン・サポーターは特別な存在だと思っています。

横断幕やみなさんの大声援があるだけで、全然試合内容やモチベーションが違うんだということを改めて無観客試合になって実感しました。パワーのある人たちだから感謝しているし、応援してくださる方々のおかげでチームも成り立っていて、力をもらっています。

声援がなくて寂しいので、有観客の際は一丸となって戦いましょう。

皆様とともに昇格します!

プロフィール

飯島 一雄

■生年月日
1991
1012

■経歴

南田中SC
練馬区立南が丘中学校
東京都立東久留米総合高校サッカー部

■指導歴

練馬区立南が丘中学校監督
CE EUROPA
コーチ(スペイン・バルセロナ)
Renova
 Football Academyメソッド責任者

ジェフエリートプログラム メインコーチ

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