1.5キャリアだから得られた経験と成長

はじめに

こんにちは!キャリアデザイン部です!

今回は、品川CC入団2年目を迎え、今季セカンドチームで副キャプテンを務める#13 岩本葵選手へインタビュー。社会人1年目の昨季は、持ち前の泥臭さで愚直に仕事とサッカーの両立に挑み続けた岩本選手。

入団のきっかけは、就職活動をサポートしてもらっていたマイナビアスリートキャリアのアドバイザーの方から、デュアルキャリアという言葉があることを教わり、就職活動とチーム探しを並行していた時に、深谷圭佑さん(2021年シーズン所属)のYouTubeから品川CCを知り、すぐにSNSでチームへDMを送ったこと。プロを目指してサッカーに打ち込んでいたものの、大学3年生で自分の立ち位置を客観視してみると、サッカーだけで生活できる自信がないことに気づき、同時に他の世界も気になっていた自分がいたという。

九州の大学を卒業後、上京し大手人材企業で営業職に就きながら選手としてプレーし日本一の「1.5キャリア」の体現を目指す彼が、1年目に経験した理想と現実のギャップとそれでも向き合い続けた先で得たモノとは。社会人1年目の壁や両立をすることへの難しさ、その時の感情、そしてどう乗り越えてきたのかを赤裸々に語ってくれました。ぜひ、ご一読ください!

1.5キャリアの1年を振り返って

本日も練習お疲れ様でした!練習直後にもかかわらず、インタビューのお時間をいただきありがとうございます。1年前のインタビューは、社会人になりたての入社間もない時期でしたね。勢いのあるインタビューだったのを覚えていますが、熱い想いを持って臨んだ社会人1年目を振り返り、仕事とサッカーの両立は体現できたと思いますか?

岩本:やっぱりまだまだ足りないことが多く、苦しい1年だったなというのが率直な感想です。僕は、日本一のデュアルキャリアを体現するという想いのもと品川への入団を決意しました。自身のnoteやSNSでも常々1.5キャリアを体現すると発信してきましたが、実際には葛藤が多かったです。でも、仕事とサッカーの両立の生活でしか経験できなかったと思う出来事や学びは間違いなくあったと思います。僕が理想とする日本一レベルでの1.5キャリアの体現は出来なかったですが、1年前には想像していなかった壁や葛藤を乗り越えて思った以上の成長ができた、ということは言い切ることが出来ますね。

―口調からもこの1年間がかなり濃い時間だったということが伝わってきました。具体的に苦しいと感じたのは、どのような時でしたか?

岩本:こうなりたい、こうありたいという理想と自身の実力や体力が追い付いていないことに気づく瞬間は多かったですし、その瞬間は常に苦しかったです。サッカー面でいえば「TOPチームに上がりたい、TOPチームで活躍したい」という想いがある中でTOPに絡むことができなったこと、仕事面では、やってもやっても成果が出なかった時期ですね。特に、6月はきつかったです。成果を出さないとという一心で仕事をやり過ぎて、サッカーでは肉離れしましたしね。気づいたらなぜか涙が出てきた日もありましたよ。仕事は一杯あるし、サッカーはうまくいかないし悪夢を見てるようでした(笑)

仕事とサッカーの両立で得たモノ

ー入社3カ月目ってある程度成果を求められるタイミングでもありますもんね。そんな時期をどう乗り越えたんでしょうか?

岩本:啓佑さん(#20 伊藤啓佑選手)や快樹さん(土田快樹選手:今季から鎌倉インターナショナルFCに所属)から「お前は楽しめてない」と言われたんですよ。仕事とサッカーの両立ができている2人から「楽しんでやり続ければ、どこかで化ける」とアドバイスをもらったことを鮮明に覚えています。今振り返ってみると、そんな先輩が身近にいてすぐに相談できたことが、乗り越えられた大きな要因だと思いますね。同時に、このようなコミュニティがあることが、品川の良さの1つだと感じるきっかけにもなりました。

ーそこから意識したことや変化はありましたか?

岩本:具体的に何をしたらいいかを考えるために、僕の中でチームで最も1.5キャリアを体現している友也さん(#6 福田友也選手)とご飯に行く時間をもらいました。そこで、友也さんから「葵は、引き算でスケジュールを立てている。仕事とサッカーの時間をうまく調整して“こなそうとしている”感じがする、それが違う。そうじゃなくて、どちらも100%でやることで見えてくるものがある。掛け算をしないといけない」と言われて行動や考え方を変えました。そもそも僕は仕事とサッカーを組み合わせたタイムスケジュールを組むことが出来ていなかったり、優先順位を立てた計画や行動が出来ていなかったことに気づきました。そこから、仕事100%、サッカー100%でできるためのスケジュールを立てられるように意識しました。例えば、それまでは「平日は練習が21時開始だから20時半に仕事を終えれば間に合う」という感覚で動いていましたが、「練習から100%で臨むためには、練習前のケアや補強トレーニングを入れておく必要があり、そこから逆算すると19時には仕事を終えた方が良い」と考え方を変え行動も変えることができました。結果、先に成果が出たのは仕事の方でしたね。非常に早いスピードで年間予算も達成することが出来ました。一方で、サッカーの方の成果はセカンドでもなかなか試合に出ることが出来ない時期が続いていたので、両立の難しさを実感しましたね。

ーシーズン終盤は試合に出ることも増えていたかと思いますが、試合に出ることが出来なかった時期から出場機会が増えていったのにも、何かきっかけがあったんでしょうか?

岩本:僕自身「オフの日は仕事をする日」という認識でした。しかし、色々な話を聞く中で、これは日本一の両立を目指す人の考え方ではないと思い、オフの日も個人でトレーニングを行うように変えました。幸せなことに、今季から品川CCとしてハイアルチ大井町店を利用させて頂けることになったので、練習がない日は、ハイアルチで走り込みや筋トレを行っています。あと、友也さんから「新人賞を取って、TOPに昇格したら、またご飯に行ってやる」と言われているので、それをモチベーションに頑張っています(笑)今は、同期だけでなく先輩以上の成績を残すことが大切だと思っていて、まだまだ伸びしろだらけだなと感じています。

双方で成果を出しながらの両立は、かなりハードなスケジュールだと思いますが、しんどいと思うことはないですか?

岩本:休みたいという気持ちは正直ありますよ(笑)ただ、それ以上に自分の理想に近づきたいという想いが勝っています。僕が入団して1年が経ちますが、その間のクラブの成長は凄まじく、僕が入団する前から所属している選手からもここ数年のクラブの変化はすごいと聞いています。最近、選手間では「クラブの成長に置いていかれないようにしないといけない」と話をしています。これだけの刺激は、この生活をしているからこそ得られるもので、そこにネガティブな感情はありません。あとは、同期やスタッフの存在は大きいですね。誠(#32 外川誠選手)や鬼京(#14 鬼京大翔選手)をはじめとする同期のみんなと色々な話をしますが、話せば話すほど刺激になりますし、スタッフこそ一番仕事とサッカーの両立を体現しているんじゃないかと思います。選手は少なくともオフの日がありますが、スタッフの皆さんは365日チームと向き合い、陰で僕たち選手を支えてくれていて、ピッチ外からサポートして下さっています。これも立派な1.5キャリアだと思いますし、そのような選手やスタッフと一緒に戦える品川が好きという気持ちが根底にあることも、頑張れる理由に繋がっています。

2023シーズン開幕に向けて

―今季について伺いたく、セカンドチームに槙野監督が就任しましたが、率直にいかがですか?

岩本:個人的に運命を感じています!僕が小さい頃初めて買ったユニフォームが槙野さんのユニフォームでした。初めてスタジアムへ観に行った試合で、槙野さんが豪快なFKを決めて、それまで貯めていたお小遣いでその日買ったユニフォームなんです。今僕がサッカーを続けているのも、あの時の憧れが影響していることには間違いありません。そして、監督としての槙野さんは、指導が細かく、雰囲気作りが本当にうまい。世間の注目度が高いことは選手も感じているので、槙野さんに恥をかかせないためにも試合で結果を出していきたいという気持ちです。

―社会人2年目の今季の目標を教えてください!

岩本:仕事では、単年目標で新人賞を取ることです。長期的には、役職に就いてマネジメントに携わりたいと思っています。そして、サッカーではチームの昇格と夏までの個人昇格です。来季セカンドが一部へ、TOPが関東へ昇格し、僕は関東リーグでプレーすることを目標に今季臨んでいきます!

ー最後に、ファンサポーターへのメッセージをお願いします!

岩本:品川CCを支えてくださるファンサポーターの皆さん、いつも温かいサポートありがとうございます。今年はトップもセカンドも昇格を果たす熱いシーズンにすることをお約束します。個人的には皆さんの声だし応援を受けてプレーできることが非常に楽しみです。熱いプレーで皆さんの心を鷲掴み出来るよう明日からも仕事とサッカーどちらも100%で取り組みます!今シーズンもよろしくお願いします!

ー苦しい時期を乗り越えて、この1年の急成長を感じる熱いインタビューをありがとうございました!今期、選手としてはもちろん副キャプテンという役割としての活躍も期待してます!!

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